マインドセット「やればできる!」の研究【おすすめ本紹介】

  • 2021年9月30日
  • 2021年12月5日
  • 読書

どんな本なのか?

本の概要

 

作者について

キャロル・S・ドゥエック

スタンフォード大学心理学教授 

パーソナリティ、社会心理学、発達心理学における世界的権威。

イェール大学で心理博士号を取得後、コロンビア大学、ハーバード大学で教鞭を執り、現在に至る。

  • 人の能力は生まれつきのもので変わらないと思っている人
  • 失敗が怖くて踏み出せないでいる人
  • 考え方の違いが人生に与える影響を知りたい人

本の目次

目次

第一章 マインドセットとは何か

なぜ人間は一人ひとり違うのか

あなたのマインドセットはどちら?

同じ出来事なのに結末が大きく異なる

自己洞察力ー自分の長所と限界を把握しているのは?

自分のマインドセットを知ろう

第2章 マインドセットでここまで違う

新しいことを学べたら成功か、賢さを証明できたら成功か

マインドセットが変われば努力の意味も変わる

ほんとうに恐ろしいのはどちらか

マインドセットにまつわる疑問に答えます

第3章 能力と実績のウソホント

マインドセットは成績の影響する

芸術的才能は天賦のものか?

危険なほめ方ー優秀というレッテルの落とし穴

ネガティブなレッテルほど強くはびこる

第4章 スポーツ チャンピオンのマインドセット

素質ー目に見えるものと見えないもの

キャラクター 品格・気骨・人となり

成功とは勝つことか、最善を尽くすことか

失敗したらどうするか?

成功に責任を持つ

真のスター選手に共通する語り方とは?

第5章 ビジネス マインドセットとリーダーシップ

成長する企業と経営の意思決定

リーダーシップと硬直マインドセット

硬直マインドセットの有名経営者

しなやかマインドセットの有名経営者

集団浅慮VSみんなが考える

リーダーは生まれつきか、努力のたまものか

第6章 つきあい 対人関係のマインドセット

対人関係の能力とは?

恋愛こそマインドセット次第で変わる!?

すべてを相手のせいにしてしまう人たち

夫婦関係や友達づきあいから成長する

内気なマインドセット

いじめと復讐

第7章 教育 マインドセットを培う

知っておきたい成功・失敗のメッセージ

優れた教師・親とは

しなやかマインドセットの教師はどんな人か

第8章 マインドセットをしなやかにしよう

「変わる」とは、どういうことか?

マインドセットをしなやかにするワークショップ

「変わる」ことを恐れない

変わろうとしない人たち

我が子のマインドセットをしなやかにしよう

マインドセットと意志力

推薦図書一覧

この本から学べること

  • 「やりたいこと」を見つける正しい方法
  • 「好きなこと」「得意なこと」「やりたいこと」を整理する方法
  • 「大事なこと」の見つけ方

本の読みやすさ

本の難しさ 4
読みやすさ 2
手軽さ 2.5
生活への生かしやすさ 4.5

マインドセットについて高いレベルで解説されています。

実例も多数出てくるのでイメージはしやすいのですが、文章は固めなので読みづらさを感じるかもしれません。

1セクションで実例だけで終わることもあるため、ある程度時間があるときにじっくり読んだほうが、理解しやすいです。

マインドセットというテーマなので、読んですぐに大きく行動を変えることは難しいかもしれません。

しかし、日常の中で「今の考え方は硬直マインドセットだな」と気付ける手がかりになります。

積み重ねて、少しずつ行動を変えていきましょう。

参考になったポイント

マインドセットによって、同じ出来事でも結末が大きく変わる

本書では、マインドセット(人の能力に対する考え方)を2つに分けて解説しています。

硬直マインドセット 

人の能力は石版に刻まれたように固定的で変わらないと信じている人

そのため、次のような思考パターンを持ちます。

硬直マインドセットの考え方

・失敗すると、自分はダメだと決めつけて匙を投げ出してしまう

・自分の都合が悪いことを直視出来ず、自分を見失ってしまう

・つまずいたら失敗と考える

・努力は忌々しいこと

・パートナーに自分の資質をそのまま温存してくれることを求める

・物事を完全にコントロール出来ているときにテンションが上がる

しなやかマインドセット 

人の能力は努力と経験を重ねることで、誰でも皆大きく伸びていけると信じる人

しなやかマインドセットの思考パターンは次のようなものになります。

しなやかマインドセットの考え方

・失敗したら、もっと頑張らなければと立ち向かう

・能力を伸ばせると思うから、現状をありのまま受け止め、理解しようとする

・成長できなければ失敗と考える

・努力は素晴らしいもの

・パートナーに自分の成長を促してくれることを求める

・物事に対して全力で取り組んでいるときにテンションが上がる

どうでしょうか、マインドセットが変わるだけで大きく考え方が変わりますよね。

今回述べたものは一例ですが、マインドセットの違いは私達の行動や結果に大きな影響をもたらすのです。

ここで注意しなくては行けないのが多くの人達が硬直マインドセットとしなやかマインドセットの両方を持っているということです。

勉強については硬直マインドセット、運動についてはしなやかマインドセットといった具合です。

すべてのことに対してしなやかマインドセットになる必要はありませんが、自分が日々関わることや、好きなことに対してはしなやかマインドセットで向き合っていきたいですよね。

 
りょくと
それでは、マインドセットを変えるためにはどうしたら良いのでしょうか。

マインドセットをしなやかにするにはどうしたら良いのか?

マインドセットをしなやかにする方法① 自分の解釈のくせに気がつく。

マインドセットが硬直していると、関心事が自分や他人の品定めばかりにいくようになります。

「私は敗北者ということだ」「これが出来るということは私はみんなより優れているということだ」

「これは僕が悪い夫ということだ」「これは相手が身勝手な人間だということだ」といった具合です。

一方で、しなやかマインドセットの関心は、この体験から何を学び取る事が出来るか。どうすれば自分を向上させることが出来るか。ということに向けられます。

「この失敗からどんな事が学べるだろうか」「どんなふうに手助けしたらパートナーがもっと良くなってくれるか」「この経験から自分にもたらすものは何か」などです。

自分のマインドセットがどちらに近いか見直して、しなやかマインドセットであったらそのままで良いのですが、硬直マインドセットに寄っているのであれば、考え方を見直してみましょう。

具体的な方法としては、「その経験から学べるものは何か」「その経験が本当に自分の価値を決めるのか」を自分に問いかけ、しなやかマインドセットの人ならどう答えるのか考えてみるのです。

最初は難しいかもしれませんが、繰り返すうちにしなやかマインドセットの考え方も出来るようになってきます。

しなやかマインドセットを持っている人を思い浮かべて、その人ならどんな風に答えるか考えるのも良いでしょう。

マインドセットをしなやかにする方法 ② しなやかマインドセットとはどういうものか知る

マインドセットは考え方の根っこの部分にあたるため、本人にとっては当たり前の考えであるため、別の考え方が存在していることに気が付かない場合があります。

本書では、

  • 作家になりたいという夢がありながら「自分には才能がない」と思い込み、文章講座を受けられなかった人
  • 勝つことにしか関心がなかったスポーツ選手
  • トップレベルの成績だったが、失敗を避けて努力をしなかったために成績に陰りが出てきた学生

それぞれが、しなやかマインドセットの存在を知ったことで、

  • 文章講座への申込みをする
  • 試合の中で学ぶ姿勢を身につける
  • 失敗を恐れず、自滅的なパターンから脱却する

といった行動の変化を起こすことが出来た例を紹介しています。

別の考え方があるということを知るだけでも意味があるのです。

この記事を読んで、「硬直マインドセット」と「しなやかマインドセット」の存在をしったあなたは、どちらのマインドセットを自分の物にするのか選ぶことが出来るのです。

書評

「マインドセット」という思考の根源について小難しいテーマですが、実例も豊富に盛り込まれているためイメージしながら読みすすめることが出来ました。

私は、子供の頃から絵を書くのが苦手でずっと生きてきたのですが、本書を読んで芸術に関して「硬直マインドセット」を持っていることに気がつくことが出来ました。

自分のマインドセットに気がつくことで、行動を変えるきっかけを得られます。

なかなか行動出来ない人は、一度自分のマインドセットを見直してみてはいかがでしょうか。

文章が硬めで少しスラスラ読める本ではありませんが、自分の考え方を変えたい人や何かを前向きに取り組んでいきたい人は一度読んで見ることをおすすめします。

本書を手にとってあなたも、しなやかマインドセットを手にして成長していきませんか?

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