【筋トレの基礎知識】科学的に正しい筋トレ 【おすすめ本紹介】

  • 2021年9月21日
  • 2021年11月21日
  • 読書

どんな本なのか?

様々な研究結果を基に、正しい筋トレの知識を学べる本。

筋肉を大きくするために注意するべきポイント、タンパク質をどんなタイミングでどの様に摂取すればよいのかという、筋トレをする人ならば知っておきたい知識を学ぶ事が出来ます。

それだけでなく、筋トレを続けるにはどうしたら良いのかという点にも書かれていて、これから筋トレをする人、筋トレを始めたばかりの人向けの情報も入っており、筋トレに関心がある人に有益な情報が詰まった1冊です。

本の概要

タイトル 科学的に正しい筋トレ

作者名  庵野拓将 発行日  2019年3月28日

ページ数 352ページ

価格 単行本 1650円 Kindle版 1485円

作者について

庵野 拓将

理学療法士、トレーナー

大学病院のリハビリセンターに勤務。怪我や病気をした患者、アスリートのトレーナーとして述べ6万人の体作りに携わってきた。

大学病院では、世界最先端の研究成果を現場でのトレーニングにフィードバックするため、研究発表、論文執筆も行っている。

筋トレやダイエットについての最新の研究報告を紹介するブログ「リハビリmemo」を運営しています。

こんな人におすすめ

・これから筋トレを始める

・効果的な筋トレの方法を知りたい

・筋トレをしているが、いまいち効果が出ない人

本の目次

本の目次

はじめに

本書を読み進めて頂く前に「科学的に正しい」とはどういうことか

序章 筋トレに関する7つの「新常識」

筋トレの成果は、バーベル、ダンベルの重さで決まらない

生体力学が明らかにした「正しい」筋トレのフォーム

従来の常識を覆す「タンパク質の最適な摂取法」

タンパク質を摂っても「腎臓」は悪くならない

筋トレに効くサプリメント、効かないサプリメント

筋トレが「病気に強いカラダ」を与えてくれる

筋トレが続かない理由は、「ヒトの進化」にあり

第1章 これが、科学的に正しい「筋トレ方程式」だ!

「筋肉を大きくする」方程式

【総負荷量】筋肥大の効果はバーベルの重さで決まらない

【セット間の休憩時間】セット間の休憩は「2分以上」

【関節を動かす範囲】「もう限界!」という領域まで、関節を伸ばせ!

【運動スピード】運動スピードは8秒以内

【筋収縮の様式】ネガティブ動作は意識しなくていい

【週の頻度】週3回でも6回でも筋トレの効果は同じ

「筋力を強くする」方程式

【トレーニング強度】筋力増強は「高強度トレーニング」あるのみ

【運動スピード】筋力をつ強くしたいなら「6秒以下」のスピードで動かせ!

【週の頻度】筋力を強くする「週の頻度」を知っておこう

第2章 これが、科学的に正しい「トレーニング」だ!

【トレーニング前】筋トレは「前日の夜」から始まっている!

【トレーニング前】筋トレの前にストレッチをしてはいけない!

【トレーニング前】最強のウォームアップは「有酸素運動→軽いトレーニング強度」

【3大トレーニング】科学的に正しいスクワットフォームの基本

【3大トレーニング】ハイ・バー、ロー・バーを使用したバック・スクワット

【3大トレーニング】スクワットの効果を最大化する「スタンス幅」と「足の向き」

【3大トレーニング】科学的に正しいベンチプレスフォームの基本

【3大トレーニング】ベンチプレスのパフォーマンスを高める「背中のアーチ」と「肩甲骨の動き」

【3大トレーニング】科学的に正しいデットリフトフォームの基本

【3大トレーニング】デットリフトの効果を最大化する「リフティング」

【トレーニング後】筋トレ後のクールダウンに意味はない? 

第3章 これが、科学的に正しい「タンパク質摂取法」だ!

なぜ、筋トレに「タンパク質」が必要なのか?

最高の摂取タイミングは筋トレ後の「24時間」

最強のタンパク質は、肉、卵、牛乳、大豆

タンパク質の正しい摂取量は「年齢・体重・トレーニング内容」で決まる

プロテインが「筋力と筋肥大」を増大させるエビデンス

タンパク質は「ドカ食い」しても意味がない

筋肉を増やす裏技は、「寝る前のプロテイン」

プロテインの飲みすぎは、「腎臓」に悪い?

「プロテイン+糖質」は意味がない?

牛乳は、無脂肪乳より「全乳」を選ぼう

卵は、「黄身まで丸ごと」食べなさい

筋トレに効くサプリ、効かないサプリの「最新エビデンス」

第4章 これが、科学的に正しい「筋トレの続け方」だ!

【筋トレを続けるべき理由①】筋トレは「病気にならない身体」を与えてくれる

【筋トレを続けるべき理由②】筋トレは「睡眠の質」を上げる

【筋トレを続けるべき理由③】筋トレは「メンタル」を改善する

それでも筋トレが「続かない」ワケ

【筋トレを続ける技術①】意志力をマネジメントせよ!

【筋トレを続ける技術②】「マシュマロ・テスト」を攻略せよ!

【筋トレを続ける技術③】脳をハックせよ!

おわりに

本の読みやすさ

本の難しさ 3
読みやすさ 3.5
手軽さ 4
生活への生かしやすさ 5
総合 4

様々な研究を根拠に、筋トレに関する知識がたっぷり詰め込まれている一冊。

専門用語も多く出てきますが、しっかり解説されていてイメージを掴むことが出来ます。

各テーマ、見出しが細かくつけられていてるので、スキマ時間でも区切りよく読み進めていけます。

筋肉を大きくする公式

本書では、筋肉を大きくする(筋肥大)の効果を最大化するための方程式として次の式が示されています。

筋肥大の効果=

総負荷量(強度×回数×セット数)×セット間の休憩時間×

関節を動かす範囲×運動スピード×筋収縮の様式×週の頻度

科学的に正しい筋トレ

ご覧の通り、筋肥大には様々な要素が影響していることが分かりますね。

今回はその中でも「総負荷量」について解説していきます。

筋肥大の効果は、バーベルの重さで決まらない!

筋トレの効果を高めるためには、「重量が重い物を持ち上げる」(高強度トレーニング)をやれば良いというイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。

しかし、現代のスポーツ科学では「低強度トレーニング」でも運動回数を高めれば、高強度トレーニングと同様の効果を出せることが、研究の結果から示唆されています。

2010年カナダのマクマスター大学の研究では、レッグエクステンションというトレーニングを同じ強度で、一方のグループは1セット、もう一方のグルーには3セット、それぞれ披露困憊になるまで行いました。 その結果は、1セット行ったグループの平均総負荷量は942Kg、3セットのグループの平均総負荷量は2184Kgとなりました。

つまり、「強度が同じなら、セット数を多く行い、総負荷量を増やすことで筋肥大の効果が増大する可能性がある」という事が示されたのです。

この結果は筋トレをやったことがない人でも「考えれば分かるだろう」という感じでしょう。

しかし次の研究では、筋トレ初心者でも、上級者に負けない負荷量をかける事が出来る事が示唆されたのです。

1RMの90%の高強度でレッグエクステンションを行ったグループと1RM30%の低強度で行うグループに分け、それぞれ疲労困憊になるまで行わせました。その結果、高強度のトレーニング回数は5回で終わりました。一方低強度のトレーニング回数は24回となりました。総負荷量は高強度は710Kgに対して、低強度は1073Kgとなりました。

これはどういうことかと言うと、

軽い重量でしかトレーニングが出来なくても回数を増やすことで、重い重量でトレーニングをしたときと同じ効果を出すことが出来る」ことが示唆されたということです。

総負荷量の内訳は「トレーニングの強度(重量)×回数×セット数」となります。

つまり、無理して高強度トレーニングを数回しかやらないよりも、自分に合った強度のトレーニングで回数やセット数を増やす方が、筋肉を大きく出来るのです。

高負荷トレーニングだけが筋トレではありません。

自分に合った負荷で回数を多めに行い、無理なく筋肉を鍛えていきましょう!

プロテインの摂取タイミングは筋トレ後の「24時間」

「筋トレ後1~2時間以内にプロテインを飲む」いわゆるゴールデンタイムを意識してプロテインを飲まれている方は多いのではないでしょうか。

私自身もそれを信じて、筋トレ後は必ずプロテインを飲むようにしていました。

しかし、現代のスポーツ科学では、ゴールデンタイムよりも「筋トレ後24時間」のタンパク質摂取を意識することが重要との見解を示しているのです。

筋タンパク質の合成感度は24時間継続する

アメリカ・シュリナーズ病院の研究では、トレーニング経験未経験の20代の男女を対象にトレーニング前後に必須アミノ酸15gを摂取させ、その前後24時間の筋タンパク質合成感度の上昇時間を測定しました。

その結果は、筋タンパク質の合成感度は24時間まで高い状態が続いていたのです。

興味深い研究結果ではありますが、この研究だけでは筋トレ経験者はどうなのか分かりませんよね。

ご安心下さい。次に紹介する研究でそちらはフォローされています。

マクマスター大学の研究では、トレーニング経験のある20代男性を対象に、レッグエクステンションを行った後、24時間後にホエイプロテインを15g摂取させ、筋タンパク質の合成率を測定しています。

その際、グループを次に3つにワケています。

①1RMの90%の高強度で疲労困憊まで行うグループ(高強度+疲労困憊)

②1RMの低強度で疲労困憊まで行わないグループ(低強度+疲労困憊なし)

③1RMの低強度で疲労困憊まで行うグループ(低強度+疲労困憊)

結果は、疲労困憊まで行った①と③のグループは、24時間後の筋タンパク質の合成率が増加していました。

一方疲労困憊まで行わなかった②のグループは、筋タンパク質の合成率はそれほど増加しませんでした。

この2つの研究結果をまとめると

  • トレーニング強度に関係なく疲労困憊までトレーニングを行えば、筋タンパク質の合成感度は24時間後まで上昇する。
  • 合成感度が24時間上昇するのは、トレーニング経験の有無に関係しない

ということになります。

こういった研究報告を受けて、2017年に国際スポーツ栄養学会(ISSN)から

「トレーニング後、少なくとも24時間は筋タンパク質の合成感度が高まる」との公式見解が発表されています。

筋トレをしたら、24時間も筋タンパク質が高まるなんで驚きですよね。

このことを知らないでトレーニングしている方も多いのではないでしょうか。

筋トレ後すぐにプロテインを飲んでいた人も多いと思いますが、効果がないわけではないのですので安心してください。

しかし、24時間も続くのに筋トレ直後のプロテインだけで終わらせてしまうのは勿体ないです。

筋トレを行った日は、その後の食事にも注意を払ってタンパク質を摂取できるメニュー選びが重要になるのです。

本書ではおすすめの食事として肉、卵、牛乳、大豆をあげています。

そちらの詳しい解説も書かれているので、詳細を知りたい方は、是非本書を読んでみて、正しい筋トレ方法を身に着けて、効果的に身体を鍛え上げていきましょう。

書評

私は4年ほど前から筋トレを継続しているのですが、今回紹介した内容以外でも知らないことが沢山書かれていて、非常に参考になりました。

特に、筋肉を大きくする方程式を意識して、週のトレーニングを計画することで、コンディションやスケジュールに合わせて筋トレをすることが出来るようになりました。

その結果、筋トレの負担感を軽減しながら、効果的に身体を鍛えられるようになりました。

筋トレに関する様々な情報がちりばめられており、これ1冊で筋トレの基礎知識を身につけられるため、

筋トレ初心者の方や、トレーニングはしているがあまり知識については学んでいない人には是非読んでもらいたい1冊です。

あなたも、正しい知識を身に着けて、理想の身体を目指してみませんか?

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