皆さん読書は得意でしょうか?
本を読むことが好きだけど、1週間もすると内容を忘れてしまう。
読書が大切だと分かっているが、どうしても途中で挫折してしまう。
そういった理由から、読書が得意とは言えない方も多いのではないでしょうか。
今回紹介する本は、そんな人達が読書を得意と言えるようになるような、 読書のテクニックを教えてくれる本となっています。
どんな本なのか
作者のDaiGoさんはYoutubeや独自アプリのDラボで様々な知識を紹介しています。
心理学はもちろん、健康や筋トレ等幅広い知識をお持ちですが、 知識の源泉として1日10~20冊の読書を行っているそうです。
この本ではそんなDaigoさんが実践しているテクニックに加え、科学的な根拠に基づいた 読書のやる気を引き出す方法、理解力と記憶力を高める方法等が簡潔にまとめられています。
本の概要
タイトル 知識を操る超読書術
作者名 DaiGo
発行日 2019年11月20日
ページ数 240ページ
価格 単行本1540円 kindle版1386円
読了所要時間数
2時間程度
こんな人におすすめ
- 読書が好きでよく本を読むが、すぐに内容を忘れてしまう
- 本を読むことに苦手意識があり、1冊の本を読み切れない
- 読書をしていても、生活に生かすことが出来ていない
本の読みやすさ
本の難しさ | 1 |
読みやすさ | 5 |
手軽さ | 4 |
生活への生かしやすさ | 5 |
総合 | 4.5 |
シンプルな文章で、項目ごとに構成が分けられていおてとても読みやすいです。
専門用語なども丁寧に解説されていて、読書をほとんどしたことがない人でもスラスラ読むことが出来るでしょう。
作者について
作者のDaiGoさんですが、一時期メンタリストとしてテレビでパフォーマンスをしていたため、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
経歴 :慶応義塾大学理工学部物理情報工学科卒業。 イギリス発祥のメンタリズムを日本のメディアに初めて紹介、 日本唯一のメンタリストとしてTV番組に出演。
その後、ビジネスやアカデミックな方向に活動を転換。
現在は、Youtubeや独自で立ち上げたDラボというサービスで、科学的根拠に基づいた様々な知識を発信しています。 Youtubeのチャンネル登録者数は2021年4月時点で237万人と非常に多くの登録者数を集めています。
内容 要約
第1章 読書にまつわる3つのフェイク
「速読」
1.その本の分野の「基礎知識」を事前に頭に入れておく
2.スキミング(拾い読み)をして集中的に読む本や読む場所を決める
上記のポイントを押さえて、読むべき箇所を選んでいくのが科学的に正しい速読です。
「多読」
「たくさん本を読んでたくさん知識を得る」ということを重視していませんか?
どんなに知識があっても、それが自分に必要なものでなければ意味がありません。
「人間関係」の問題を解決したいのに、数学の知識が増えても役に立たないですよね。
自分に必要な知識を明確にし、少ない情報から多くの知識を得ることを重視こと。
そのために、感情や集中力を利用して、効率的に知識を得ることが重要なのです。
「選書」
本を何冊も読んでいると、選ぶのを失敗したと感じる「ダメは本」と出会うこともありますよね。
そんなときは、問題集として使うのがオススメです。
自分ならどのように書き直すか考えて、読んでいくとアウトプットの練習になります。
良い本は参考書として、ダメな本は問題集として使い分けて、インプット力、アウトプット力両方を伸ばしていきましょう。
第2章 読書の質を高める3つの準備
メンタルマップ
自分に3つの質問をすることで、読書のやる気がアップ します。
- なぜこの本を読もうと思ったのか?
- この本から何を得たいのか?
- 読んだ後、どういう状態になりたいと願っているのか?
キュリオシティ・ギャップ
キュリオシティ・ ギャップとは、
自分の知っている知識と自分の知らない知識の差を意識することで、 好奇心が刺激され記憶に残りやすくなる効果です。
具体的なテクニックとしては、
読書ノートを取るときに、見開き左側に知っている知識、右側に知らなかった知識を書き出すようにすると記憶に残りやすくなります。
セルフテスト
読書をしていても、本によっては全然読み進められない、頭に入ってこないということもありますよね。
そんな時は、 自分がなぜうまく本を読めないのか、セルフテストを行って理由を確認してみましょう。
- 十分な時間とモチベーションが足りない
- 集中力の維持が出来ない
- 読むスピードがなかなか速くならない
- ボキャブラリー不足
- 本のどの部分に集中すべきか選べない
- 新しい理論、細かい情報を理解できない
- メインのポイントと議論のポイントがつかめない
- エビデンスの価値が測れない
- 本の内容を理解するための背景知識や経験がない
- 馴染みのない分野である
理由が分かったら、後はそれを解決するだけ。
時間や集中力に対しては環境を整える、知識不足のときはもっと簡単な入門書を先に読むなど工夫してみましょう。
第3章 理解力と記憶力を高める5つの読み方
予測読み
タイトル、帯、目次に目を通し本の内容を予測し、実際の内容と比較することで記憶に残りやすくなります。
更に、予測した中で自分が関心がある箇所から読み始めることで、読み進めやすくなります。
視覚化読み
参考書の内容な全然覚えられないのに、漫画や小説の内容は簡単に覚えられたりしませんか。
そうなる理由は、主人公やストーリーがある内容の方が、記憶に残りやすいからです。
ストーリーがない実用書、ビジネス書は「前提」「解説」「結論」の論理構造を自分でまとめることで、内容が思い出しやすくなります。
自分なりのストーリーを作ることで、記憶に残りやすくなるのです。
つなげ読み
読んでいる本の内容を、自分の持っている知識や経験などと結びつけ、理解度を高める方法
テキスト・トゥ・テキスト | 過去に自分が読んだ本などのテキストと結びつける |
テキスト・トゥ・セルフ | 過去の自分の体験とほんの内容を結びつける |
テキスト・トゥ・ワールド | 本の内容と現実に起きている現象を結びつける 結びつきが生まれることで、 脳が「この情報は重要なものなんだ」と判断し、記憶に残りやすくなる |
要するに読み
1段目
本をじっくり読むのではなく、各章を拾い読みし、章ごとに自分の言葉でざっくり要約します。
その後に見返すことで、自分がどの章に関心があるのか、その章が読むべき内容か判断する材料になります。
関心が高いところから優先順位をつけて読むことで、目的意識が高まり集中力が持続しやすくります。
2段目
本を読み終えたとき、自分の中に残したい内容を「自分の言葉」で要約しまとめます。
「自分の言葉」で要約することで、ほんの内容が自分事となり、記憶に残りやすくなる効果があります。
質問読み
読書を始める前に質問を用意し、読んでいる間にその質問に対する答え合わせをする読み方。
本を使って自問自答を繰り返すことが内容の理解度を深め、記憶に残りやすくしてくれます。
第4章 知識を自在に操る3つのアウトプット
テクニカルターム
最初にテクニカルターム(専門用語)を投げかけることで、相手の関心を引き付けることが出来ます。
そこからたとえ話、出典やデータで補足することで、説得力が増します。
SPICE
5つのポイントを意識することで、相手への説得力をアップすることが出来ます。
- Simply(単純化) 相手に伝えたいことを出来る限り単純なメッセージにまとめる
- Perceived self-interest(私的利益感) 聞き手の利益になるような伝え方をする
- Inconguruity(意外性) 意外な事実に相手の注意が向いているうちに説得する
- Confidence(自信) 自身を持って語ることで、目立った特徴を演出し相手の注意を向ける
- Empathy(共感) 共感を入り口に相手を説得する
思想書と科学書のダブル読み
思想書は古典を、科学書は最新の本を読むことで効率的に知識を吸収できます。
難しい古典は、スキミング(選び読み)で重要だと思った箇所とその理由をメモする。
その後、再読をして重要な箇所をじっくり読む。
要するに読みで再々読し、重要な箇所を自分の言葉でまとめる等、
今までに紹介したテクニックを組み合わせることで、難しい内容の本でも知識を吸収することが出来ます。
書評
本の読み方が具体的に説明されており、本は最初から順番に読むものとなんとなく考えていた人には、目から鱗な内容が詰まった1冊です。
知識を記憶に留めておくテクニックも項目ごとに整理されていて、知識を有効活用したい人にもオススメです。
モチベーションアップのテクニックが書かれており、1区切りが20ページ程とまとまっているため、 これから読書を習慣にしたいという人が最初の1冊として読むのにも最適なのではないでしょうか。