私達の日々を支える「睡眠」ですが、寝付くのに時間がかかる、いまいちスッキリ起きれない。
そんな悩みを持った人も多いのはないでしょうか。
寝付きの悪さや、睡眠の質の低さは日中のパフォーマンスに悪影響を与えます。
そんな状況を改善するためには「睡眠の質」を高めるのが一番。
「そうは言っても大変なんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、
実は、食生活に少しの工夫を加えるだけで睡眠の質を高めることが出来るのです。
この記事では食事によって「睡眠の質」を高める方法を紹介しています。
寝る前に糖質を摂る
寝る前に糖質が上がりやすい食品(高GI食品)を摂ることで睡眠の質を上げることが出来ます。
睡眠と糖質の関係を調べた研究では、寝る前に高GI食品を摂ったグループは、低GI食品を摂ったグループと比べて
- 睡眠時間が1時間長くなる
- 睡眠の質が8%改善
- 寝付くまでの時間が20分短縮
といった効果がありました。
更に、金沢医科大学が行った、お米、パン、麺類の3種類の食品と睡眠の質の関係性を調べた研究では、
高GI食品である「お米」の摂取量が多いほど睡眠の質が高くなるという報告がされています。
とはいえ、寝る直前に食べすぎてしまうと消化器系に負担がかかり、逆流性食道炎になるリスクも出てきます。
また、寝るときに胃の中に食べたものがしっかり残っている状態だと、消化のために胃が刺激された睡眠が妨げられていしまいます。
では何時までに食事をしたら良いのかというと
「寝る2~3時間前には食事を済ませておく」というのが一般的です。
しかし、寝る1時間前に糖質を摂ると深く眠れるようになるという調査報告もあります。
そのため、しっかりとした食事は寝る2~3時間前に済ませ、寝る1時間前に果物等デザートで程度の糖質を摂るという組み合わせがオススメです。
「寝る前に糖質を食べてしまったら太ってしまうのでは」と心配になる人もいるかも知れません。
確かに、糖質を摂ったら太る一因にはなりますが、食べる時間帯とは関係がありません。
寝る前に食べても、昼間に食べても太りやすさに違いは無いのです。
むしろ、寝る前に糖質を接種して睡眠の質を高めることで、睡眠中の成長ホルモンの分泌が増えて脂肪が燃えやすくなります。
つまり、夜に接種する糖質にはダイエット効果も期待できるため、日中の糖質を控えて、夜に糖質を多めに摂ったほうが良いのです。
水分をしっかり摂っておく
夜中に目が覚める原因の一つに軽度の脱水があります。
喉の乾きに気づく、水分を求めて体が動き中途覚醒につながる場合があります。
英国の「ナチュラル・ハイドレー処・カウンシル」によると女性は1日約2リットル、
男性は1日約2.5リットルの水分を必要とするそうです。
冬場でも寝ている間に200mlの汗をかくほど、眠っている間に水分を消費します。
寝る前に水分を摂りすぎてしまうとトイレに行きたくなってしまい、かえって睡眠の質が落ちてしまいます。
日中から意識的に水分を摂ることで睡眠中の脱水を防ぎましょう。
カフェイン摂取は午後3時まで
集中力を高めるためにコーヒーやエナジードリンクを飲んでカフェインの力を借りる人も多いと思いますが、夜ぐっすり眠りたいなら午後3時までには摂取を止めましょう。
カフェインの効果は4~5時間、長いものでは6~8時間効果が続くこともあります。
そのため眠りにつく6~8時間前にはカフェイン摂らないようにすることで、カフェインに邪魔をされずに眠りにつくことが出来ます。
カフェインはコーヒー、エナジードリンクの他にも、コーラやお茶、風邪薬、チョコレードなどにも含まれています。
夕食時にお茶を飲んでいる方は、ルイボスティーなどのノンカフェインのお茶に変えてみても良いかもしれません。
睡眠の質を高める食べ物を食べる
寝る前にキウイやブルーベリーを食べることで睡眠の質を高めることが出来ます。
2011年に台湾の台北医学大学が下記のような実験を行いました。
睡眠障害に悩む24人の男女を対象に、4週間の間、寝る1時間前に2個のキウイを食べてもらい睡眠にどのような変化があるか調べました。
その結果
- 入眠までの時間が35%改善
- トータルの睡眠時間が13.1%改善
- 良く眠れたという感覚が42.2%改善
- 翌朝の眠気が23.4%改善
キウイと睡眠の質改善との因果関係ははっきりと解明されていませんが、
キウイに含まれているフラボノイド、セロトニン、葉酸などの成分が関係している可能性を指摘されています。
実際に睡眠の質が改善することは実証されており、食べることによるデメリットも無いので睡眠の質で悩んでいる人は是非試してみてください。
腸内環境を整える
食物繊維を摂るなど腸の状態を改善することで睡眠の質が向上することが分かっています。
ニューヨーㇰにあるコロンビア大学による研究で、成人の被験者に4日間定められた健康的な食事を食べてもらい、5、6日目は好きなものを食べてもらうという実験が行われました。
その結果、最後の2日間に食物繊維が少ない食事をした人は寝付くまでに時間がかかり、睡眠が浅くなりました。
毎日30gの食物繊維を摂ることを推奨されており、海藻類に特に多く含まれています。
野菜だとごぼうや枝豆、モロヘイヤなどが100gあたり食物繊維が5g以上含まれています。
参考 大塚製薬
野菜だけで30g以上摂取するのはかなり大量の野菜を食べなくてはいけないので、普段の食事に寒天を取り入れるのもオススメです。
筆者は汁物にこの寒天を入れて食物繊維を摂っています。
元々の料理の味を変えることなく、食べごたえもアップするのでオススメです。
まとめ
- 寝る前に糖質を摂る:寝る1時間前に果物等デザートで程度の糖質を摂ることで睡眠の質が改善する。
- 水分をしっかり摂っておく: 脱水を予防し、中途覚醒を防ぐために適切な水分摂取を心掛けましょう。
- カフェイン摂取は午後3時まで: カフェインは長時間効果が持続し、夜の睡眠を妨げる可能性があるため、午後3時までに控えることが重要。
- 睡眠の質を高める食べ物を食べる: キウイやブルーベリーなど、睡眠質を向上させる成分を含む食材を摂取。質の高い睡眠をサポート。
- 腸内環境を整える: 食事による腸内環境の改善が睡眠に影響を与えることがわかっており、健康的な食習慣を取り入れることが大切。
今回は睡眠の質に関わる食生活について解説しました。
食事が睡眠に影響を与えるというのは少し意外かもしれませんが、食事ほど体に直接影響を与えるものはありません。
睡眠に悩みがある人は、まずは食生活から見直してみると劇的な効果が見込めるかもしれません。
今日から出来ることも紹介しているので、生活に取り入れて快適な睡眠を手に入れてください。