どんな本なのか?
読まれる、共感される文章を書くためのポイントを解説した本です。
【難しいことをやさしく】と言った基礎的なポイントはもちろん、【話の「高低差」を意識する】といった少しレベルの高いテクニックも紹介されています。
文章は簡単で読みやすいですが、内容は初心者から上級者まで使えるものが揃っています。
文章を書きながら、何度も読み返すことで文章力が確実にアップするでしょう。
- 伝わる文章を書くポイントが分かる
- 共感される文章の書き方
- 相手目線の文章を書くにはどうしたら良いか学べる
本の概要
タイトル 人もお金も動かす 超スゴイ!文章術
作者名 金川 顕教(かながわ あきのり)
発行日 2019年4月20日
ページ数 216ページ
作者について
大学在学中に公認会計士試験に合格。
世界一の規模を誇る会計事務所デロイト・トウシュ・トーマツグループである有限責任監査法人トーマツ勤務を経て独立。
参考になったポイント
難しいことをやさしく書く
情報をまとめる際に、「専門用語」をそのまま書くか、噛み砕いて書くのか扱いに迷うことはありませんか?
その答えは「誰のために、何の目的で書いているのか」という設定が出来ているかどうかで変わります。
論文などの専門誌での連載など、自分の専門性をアピールしたい場合。
自分の知識や経験を世の中に広めたい場合とでは、どんな人が読むのかが変わってきますよね。
どんな人に伝えたいのか想定して文章を書くことで、文の書き方が定まります。
文章を書き始める前に、届けたい相手をイメージしてみましょう。
伝わる文章を書くための4つのテクニック
伝わる文章の大事な要素として「読者の読解力に依存しない」ことが求められます。
そのための4つのテクニックは次のとおりです。
- カッコを使った強調
- 別の表現に言い換える
- 文章全体の「空白」を増やす
- 箇条書き
テクニック1 カッコを使った強調
大事なキーワードに「かっこ」を使って書く。
【これ】でも良いのですが、とにかく特定の文字を囲んで際立たせること。
そうすることで、「これは大事な言葉なんだ」と直感的に理解してもらえます。
別の表現に言い換える
丁寧に説明したつもりだけど、説明が不十分かもしれない。
でも、具体例を入れないでテンポよく話を進めたい。
そんなときに便利なのが、言葉の言い換えや要約です。
- ようは
- つまり
- 言い換えると
このような言葉で、改めて簡潔に説明することで、読者の理解度を高めることが出来ます。
文章全体の「空白」を増やす
画面全体に占める空白を増やし、「読みやすそう」と思ってもらうことも重要な要素です。
空白を増やす方法としては
- こまめに改行する
- 話が大きく変わるときは一行空ける
- ページ四隅の余白をしっかりとる
余白が重要といっても、改行と余白が多すぎると返って読みにくくなります。
全体の3割ぐらいが余白になるように気をつけると良いでしょう。
箇条書き
箇条書きをうまく使うことで、読者の読解力を補助することが出来ます。
箇条書きのメリットは
- 伝えたいこと(要点)が際立つ
- 読み手の頭にすんなり入る
- 書き手の思考が整理される
イエス・バットで反論を潰す
どんなに優れた文章でも、万人に共感してもらえる文章は存在しません。
なぜなら、人によって価値観や状況は違うからです。
それでも、「できるだけ反感を買わないようにする」ことは可能です。
その方法が「イエス・バット法」
「〇〇という意見もあるでしょう」という書き出しから、
反対意見を受け止めてから反論をすることで、違う意見の読者からの反感を軽減することが出来ます。
具体例としては
「△△だ」と思う方もいるでしょうし、その心情は理解出来ます(想定される反論をイエスで受け止める)
ただ、☓☓という観点から、〇〇の重要性は揺るぎないと思うのです(補足説明をして反論する)
読者の感情を動かしたいなら、異なる意見をぶつける必要があります。
事前に反論を潰しておくことで、反感を買わずに相手の感情を揺さぶることが出来るのです。
この本の読みやすさ
分かりやすさ | 4.5 |
読みやすさ | 4.5 |
手軽さ | 4 |
役立ち度 | 4 |
総合 | 4 |
こんな人におすすめ
- 仕事やプライベートで文章を書いても、上手く相手に伝わらない。
- ブログやSNSで発信をしても、読んでもらえない。
- 文章のレベルをアップしたい。
書評
読まれる文章の基礎から、興味を引く、行動を促すためのテクニックまで幅広く取り扱いながらも、読みやすく書かれた1冊です。
24のテクニックが収録されていますが、どれも納得出来る内容かつ具定例が示されていて実践しやすいので、時折見返しながら文章を書くことで、着実にテクニックを身につけることが出来ます。
とにかく読みやすく、読んでいるうちに「良い文章が書けるかも」と思わせてくれます。
いまいち執筆作業の気が進まない時は、一章読んでみるとやる気が出てきます。
価格以上の文章術が手に入るので、文章力を上げたい方は、ぜひ読んでみて下さい。