あなたは、日々を「集中」して過ごせていますか?
現代社会は情報に溢れていて、スマホひとつで無数の情報にアクセスすることが出来ます。
便利なことではありますが、一方で情報量の多さによって、知らず知らずに私達の集中力は奪われています。
なぜかと言うと、原始時代から人間の脳はあまり進化しておらず、現代社会の情報量に対応できていないからです。
しかし、諦めてはいけません。現代の科学では、集中力を高めるための様々な方法が確立されています。
特に重要となるのが「睡眠」。
集中力を発揮するためには、十分な睡眠が取れていることが大前提となります。
この記事では様々な著書から「睡眠」に関する集中力を高める方法を抜粋し、解説していきたいと思います。
集中力を高めるためには睡眠が最重要
あなたは徹夜明けの状態で普段より高い集中力を発揮することが出来ますか?
ほとんどの人が「難しい」と答えると思います。
「徹夜なんてしていないから大丈夫だよ」という声が聞こえてきそうですが、
実は、睡眠不足が続いている脳の状態は、徹夜明けの状態と大差ないのです。
ペンシルバニア大学の研究では、
6時間睡眠が10日間続くと、24時間起きていた人と同じくらいパフォーマンスが低下するという結果が出ました。
2017年の厚生労働省の統計では、睡眠時間が6時間未満の者の割合は、男性 36.1%、女性 42.1%というものでした。
詳細の統計データはこちら
日本人の約4割が徹夜した状態で日々活動しているということになります。
「日本人の平均だし、集中力が下がっている感じもしないけど」という人もいるかも知れませんが、
睡眠時間が低下している人は、自己洞察力が低下するため「自分の睡眠は足りている」と誤認しやすくなります。
睡眠時間が6時間未満の人は、睡眠時間を確保することが集中力の向上につながるのです。
睡眠時間は最低7時間確保する
それでは、何時間眠れば集中力を回復することが出来るのでしょうか。
多くの著書で睡眠時間は最低7時間は確保することが推奨されています。
全人口の8割以上が、7~8時間の睡眠で回復する「ミドルスリーパー」に分類されます。
もちろん個人差はありますが、大抵の人は7時間は眠ったほうが良いのは明らかでしょう。
「仕事が忙しくて睡眠時間を確保出来ない」という人もいるかもしれません。
しかし、実際は因果関係が逆なのです。
睡眠時間が低下した状態では仕事の生産性が低下し、結果仕事が終わらないという状況が生まれます。
睡眠時間を増やすことで、効率的に仕事が出来るようになり、時間に余裕を作る事が出来るのです。
睡眠時間が6時間以下の方は、試しに1週間だけ、睡眠時間を1時間増やしてみて下さい。
日中の生産性が上がり、効率的に仕事にができる、活動的に過ごせる等、生活が大きく変わりますよ。
起床後2~3時間は【集中力のゴールデンタイム】
集中力が高い状態で作業に取り掛かりたいのであれば、朝行うことをおすすめします。
なぜなら、朝起きてから2~3時間までが最も高い集中力を発揮できるからです。
その理由は、夜間の睡眠によって頭が整理されているため。起きたばかりの脳は疲労がなく、整理された状態になっています。
そのため、1日の中で最も高い集中力を発揮することが出来るのです。
朝食を食べてから30分間が特に集中力が高まるため、読書や文章作成、理論的な作業が必要な仕事などを行うのが良いでしょう。
反対に、起床後に絶対にやってはいけないことがあります。
それは、情報番組などのテレビ番組をみることです。
テレビは情報量が多く、きれいな状態の脳が一気に汚れてしまいます。
朝起きたら、静かな環境ですぐに作業に入ることで、最高のパフォーマンスを発揮できるのです。
「朝の30分=夜の2時間」
神・時間術 樺沢紫苑
20分の昼寝が午後の集中力を高める
午後の眠気を防いで、高い集中力で仕事をしたい時には、20~30分程の昼寝がおすすめです。
NASAの研究によると26分の仮眠で仕事の効率が34%、注意力は54%アップしたという結果が出ています。
集中力だけでなく、健康面でも良い影響があります。
1日30分以下の仮眠をしている場合、アルツハイマー病のリスクが5分の1になる。糖尿病のリスクも減るそうです。
また、働く男性を対象にした観察結果では、死亡率が37%低く、心臓病の死亡率は64%低下しました。
「昼寝が体に良いのなら、もっと寝たほうが良いのでは」と思われるかもしれませんが、30分以上昼寝をしても、集中力の回復効果は低下してしまいます。
更に1時間を超えると深い眠りに入るため、かえってパフォーマンスが低下してしまいます。
昼寝をする時間帯も重要で、15時以降を過ぎての昼寝は夜の睡眠へ悪影響を及ぼします。
周りの視線や環境的に昼寝が出来ないといった場合は、数分間目を閉じて休むだけでも脳は回復します。
昼寝が出来ない人も、休憩時に試してみてはいかがでしょうか。
寝る前15分は【記憶力のゴールデンタイム】
学校の勉強や資格試験など、覚えたいことがある人は、寝る前の15分を活用するのが良いでしょう。
寝る前の15分に暗記したことは、1日の中で最も記憶に残りやすいからです。
なぜ記憶に残りやすいのかと言うと「記憶の衝突」が起きないためです。
「記憶の衝突」とは、何かを暗記した後に余計な記憶が入ることで、脳が混乱し記憶の定着に支障をきたすことです。
つまり、覚えたいことを頭に入れた後には、極力余計な情報は入れないほうが良いということです。
記憶のゴールデンタイムを活用した記憶術
- 「暗記したい項目」「日中暗記できなかった項目」などを単語帳やノートにまとめておく。
- 洗顔、歯磨きなどを済ませてすぐに寝られる状態で暗記をする。
- 残り3分間になったら、なかなか覚えられない、難易度の高いもの3つを10回ずつ紙に書く。
- 書き終わったらすぐに布団に入る。
- 眠りに入るまで、最後に覚えた3つの内容を順番に繰り返す。
記憶のゴールデンタイムのコツとしては、欲張りすぎないことです。
1日1~3つのことを覚えることを目安として取り組むのが良いでしょう。
少なく感じるかもしれませんが、毎日続ければ1年間で300~900以上のことを暗記することが出来ます。
なかなか、勉強を続けられない人は、寝る前の15分から始めてみてはいかがでしょうか。
睡眠の力で集中力を高めよう
今回は「睡眠」に関する集中力を高める方法をご紹介しました。
夜間の睡眠はもちろん、朝、昼、晩とそれぞれのタイミングで集中力を高めるポイントがあります。
理想的なのは、
- 1日7時間睡眠
- 起床後2~3時間、読書や文書作成、集中力が求められる仕事を行う
- 20~30分昼寝をする
- 夜寝る15分前に暗記をして眠る
といった生活になります。
いきなりこのような生活にするのは難しいですが、どれか一つぐらいなら、負担感なく試すことが出来ます。
無理なく取り入れやすいものを1つで良いので試してみて下さい。
夜中はぐっすり眠れ、日中は集中して物事に取り組めるようになり、人生変わりますよ。
参考文献
自分を操る超集中力 DaiGo
神・時間術 樺沢紫苑
行動最適化大全 樺沢紫苑
絶対にミスをしない人の脳の習慣
睡眠こそ最強の解決策である マシュー・ウォーカー