一生懸命作ったプレゼン資料なのに、相手に刺さらない。ブログの記事が全然書けない。
あなたは、そんな悩みを抱えていませんか。
世の中に数多ある文章の中から、あなたの文章を読んでもらうには、「共感」が必要になります。
とはいえ、いきなり「共感」してもらえる文章を書くなんて、ハードルが高いように感じますよね。
そんな悩みを抱えているあなたに、おすすめの本があります。
それは【稼げる人の「超速」文章術】
この本では、 「共感」してもらうための文章術「エンパシーライティング」について解説されています。
- 文章を効率的に書くためのポイント
- 穴埋めするだけで構成が決まるテンプレート
- 共感される文章の作り方
本の概要
作者 中野 巧
発行年月日 2020年7月
ページ数 302ページ
作者について
エンパシーライティング開発者
共感を科学する──『エンパシーデザイン・ラボ』主宰
大学の建築学科を卒業後、積水ハウスで住宅の設計をしていたが、将来の独立には営業力が必須だと感じ、26歳でゼロからフルコミッション営業の世界に飛び込む。そこで従来型の売り込む営業をするが結果を出せず、” 半年間の給料が 25万円 ” のどん底営業マンとなり、あっという間に職を失う。その後、業界最大手の通信会社の営業職に就いたのをきっかけに、顧客と「共感によってやさしいつながりが生まれる」と気づく。それまでの売り込み営業を辞め、顧客に共感しながら、必要な情報をわかりやすく伝えることを徹底し、3か月後からは全国トップの営業成績を取り続けるようになる。
30歳を目前にウェブマーケティングの仕事で独立。その後、仕事の効率化のため、10年書き続けてきた独自の文章メソッドを1枚のチャートに結晶化し、エンパシーライティング・メソッドを開発。エンパシーライティング講座は、即効性とわかりやすさに定評があり、毎回すぐに完売となり、キャンセル待ちが続く人気講座となっている。また、エンパシーライティングは、企業研修や地方自治体、教育機関などで幅広く活用されると同時に、ヨーロッパのビジネス書ベストセラー作家からも注目され、中国や台湾からの問合せも入っている。
中野巧 公式ブログ
参考になったポイント
共感される文書作成ツール「エンパシーチャート」
「エンパシーチャート」とは、作者の中野巧さんが独自に作成した、共感される文書を作成するためのチャートです。
下記の図に沿って、一つずつ埋めていくことで、自然と共感されるストーリーが作られるものとなっています。
実際どの様に使うのか、説明していきましょう。
「エンパシーチャート」3つのステップ
エンパシーチャートを作成するには次の3つのステップで進めていきます。
- 埋める【内容(メッセージ)】
- 貼る 【文章構成】
- つなぐ【文章表現】
ステップ1 埋める
①ゴール設定
この文章を書くことで、あなたが達成したいゴール(目標・狙い)を「ワクワクするかどうか」を基準に考える。
②ポジティブなセリフを考える
あなたの文章に一番価値を感じてくれそうな人を想像し、その人がどんな「ポジティブなセリフ」言っているか具体的に想像してみましょう。
ここのセリフが具体的であればあるほど、「⑤ポジティブへの言葉がけ」の質が高くなります。
出てきた言葉に対して「なぜ?」「つまり?」「ということは?」といった質問を重ねることで、より具体的なものに出来ます。
③ポジティブな感情を想像する
②でポジティブなセリフを言っているその人は、どんな「ポジティブな感情(気持ち・心理・状態)か想像して埋めてみて下さい。
④あなたが相手に求める行動を考える
その人がポジティブな状態になった結果、あなたがその人にとって欲しい行動(あなたが相手に求める行動)は何か考えて埋める。
⑤ポジティブへの言葉がけ
「ポジティブな状態」になったのは、あなたがどんな言葉がけ(メッセージ)をしたからでしょうか。
小分けにして付箋に残していきます。
⑥ネガティブな感情を想像する
「③ポジティブな感情」と逆の「⑥ネガティブな感情」はどんなものが出てきそうか、想像して埋めていきましょう。
⑦ネガティブなセリフを考える
「⑥ネガティブな感情」を持つ、架空の人物が、あなたの文章を読んだ時に、どんなセリフを言いそうか考えて、書き込んでいきます。
⑧ネガティブな背景・本音・理由を考える
「⑦ネガティブなセリフ」を言っている理由を、その背景となる本音や現実を踏まえて考えます。
⑨ネガティブへの言葉がけ
「ネガティブな状態」にある人に、あなたの主張を受け入れてもらう、安心してもらうためにどんな言葉をかけたら良いか考える。
⑩テーマ・タイトルを一言で考える
このエンパシーチャートのテーマを一言で表すならなんというか考える。
ステップ2 貼る
曲線を描く
付箋に書いたメッセージをマスの外に避けて、右上から左下に向かって、自由に曲線を書く。
上に行けばワクワクどが上がる、下に行けば冷静になるというように、読み手の感情の動きをイメージして下さい。
ストーリーを描く
曲線(読み手の感情の動き)をヒントに、付箋に書いたメッセージを並び替える。
こうすることで、感情に沿った文章構成のたたき台が出来上がります。
ステップ3つなぐ
最後に、ステップ2で作ったたたき台を元に、それぞれの付箋のメッセージに肉付けをし、文章化していきます。
文章化する前に、チャートを台本にして、声に出して読むと頭が整理され、書きやすくなります。
以上が「エンパシーチャート」のやり方です。
めんどくさいと感じるかもしれませんが、これをやることで読み手の感情寄り添った文章を書きやすくなります。
文章が上手になる「5つの文章のコツ」
- 主語を「あなた」にする
- 「?」を乱用しない
- 1文は50字以内
- 相手に負担を与えない
- 「説教」しない
主語を「あなた」にする
主語を「私」から「あなた」に換えたり、「読み手視点」に切り替えることで、相手に読まれやすく、届きやすい文章になります。
文章を書き始めるとつい、「自分目線」になってしまいがちです。
「あなた」という言葉を使うようになると自然と文章が変わるので、1文だけでも置き換えてみて下さい。
「?」を乱用しない
「?」が続くと、読み手は尋問されているような気分になり、不快感を覚えます。
誰かと会話している場面を思い浮かべて下さい。
相手から質問攻めにあったら、良い気分はしませんよね。
文章の場合はより一方通行となるため、注意が必要です。
疑問系「?」は読み手を引き込むための有効な手段ですが、多用しすぎないようにしましょう。
1文は50字以内
句読点や改行のない文字の塊は、読み手を疲れさせます。
日本人の多くが黙読するときにも、頭の中で音読していると言われています。
そのため、句読点や改行がないと息継ぎが出来ず、息苦しさを覚え、読み手が離れていってしまいます。
文章はダラダラと書かずに、1文を50字以内する。
もしくは適切なタイミングで句読点や改行を入れて、読みやすさを意識すると良いでしょう。
相手に負担をかけない
読み手に必要以上に考えさせる、思い出させるなど、相手に負担をかける文章は避けましょう。
「相手に考えさせる」という負担が多いほど、その負担の数だけ関係性は薄れていきます。
少し前の話題を出すのであれば、改めて簡単に説明するなど、相手に余計な負担をかけないことを心がけましょう。
説教しない
何かを伝える時、「正しさ」はもちろん必要になりますが、「正しさ」は時に人を傷つけます。
書き手の立場や状況、キャラクターによっては、ビシッと伝えることが効果的になることもあるでしょう。
しかし、説教されてまで、何かを購入したいと思う人は少ないでしょう。
説得力を出すために、力強い言葉を選びたくなる気持ちも分かりますが、相手与える印象もよく考えてみましょう。
情報は「正しく」伝え方は「寄り添い」を意識すると、読み手の心を動かす文章になります。
読まれる文章の必須テクニック「流れ」
読まれる文章には、「流れ」があります。
良い「流れ」を作ることができれば、スルスルと読んでもらうことが出来ます。
では一体、どうしたら「流れ」を生み出すことができるのでしょうか。
その方法は「接続詞」や「枕ことば」のボキャブラリを増やすこと。
以外に思うかもしれませんが、文章をつないでいる「接続詞」や「枕ことば」の種類を増やすことで、メリハリを出すことが出来ます。
「接続詞」や「枕ことば」のボキャブラリがあると、文章の流れを作れると共に、文章を書くことが楽に、楽しくなってきます。
文章の流れを作る「56の言葉リスト」
本書では「接続詞」や「枕ことば」のリストが表記されています。
リストは次の8つのカテゴリに分類されていて、それぞれ7つの言葉を掲載しています。
その一部をご紹介しましょう。
- 後に伝えることを強調したい
- 前が原因・理由となって後の結果・結論につなげたい
- 言い換えたり、まとめたりして、強調したい
- 予想とは逆の展開をしたい
- 話題や状況を転換したい
- 前のことを詳しく説明したい
- 比喩(メタファー)や例で、イメージを膨らませてもらいたい
- その他
1.後に伝えることを強調したい
実は |
ぜひ |
考えてみると明らかなのは |
信じられないかもしれませんが |
前が原因・理由となって後の結果・原因につなげたい
だから |
その理由は |
結局のところ |
やはり |
言い換えたり、まとめたりして強調したい
言い換えれば |
ポイントになるのは |
要するに |
つまり |
予想とは逆の質問をしたい
しかし |
ところが |
その一方で |
とはいえ |
話題や状況を転換したい
それでは |
そんなとき |
ところで |
余談ですが |
前のことを詳しく説明したい
なぜなら |
詳しく説明すると |
その秘密は |
ここだけの話 |
比喩(メタファー)や例でイメージを膨らませてもらいたい
たとえば |
いわば |
例を挙げると |
想像してみて下さい |
その他
なぜ |
仮に |
問題は |
お願いがあります |
この本の読みやすさ
本の難しさ | 3.5 |
読みやすさ | 4 |
手軽さ | 2 |
役立ち度 | 4.5 |
総合 | 4 |
こんな人におすすめ
- 文章を書くのに苦手意識がある
- 文章を書き上げるのに時間がかかる
- 共感を得る文章をかけるようになりたい
書評
ブログを開始した頃に「ブログ用に活かせる本はないか」と探して購入した本。
タイトルからアフィリエイトブログの書き方かと思っていたが、
実際の内容は作者の中野巧さんが編み出した「共感」してもらうための文章術「エンパシーライティング」について解説されています。
この本の肝となる「エンパシーチャート」は最初は面倒に感じましたが、慣れると読み手の感情に沿った文章構成がスイスイ作れるようになるので、試してみる価値はあると思います。
他にも、今回ご紹介出来なかった「穴埋め文章作成テンプレート」は、その名の通り、埋めていくだけで文章の大まかな形が出来上がります。
私も文章の構成で悩んでいましたが、テンプレートを使ってみたところ、時間を書けずに構成がまとまるようになりました。
文章作成の基礎的なテクニックから、「エンパシーチャート」「穴埋め文章作成テンプレート」といった本書独自の要素もあり、文章作成テクニックを広げたい方にオススメです。
「エンパシーチャート」「穴埋め文章作成テンプレート」も使いこなせると、文章作成の時間短縮が出来ます。
文章を書くのに苦手意識がある、書くのに時間がかかってしまうという人は一度この本を読んでみて下さい。
あなたの文章作成スピードがアップし、よりたくさんの記事の作成や、仕事や家事との両立ができるようになりますよ。